12/18/2011

図書館とパサージュ



現在、パリのMusée d'art et d'histoire du Jaudaïsmeでは、
Walter Benjamin Archive展を開催中です。
ユダヤ美術館HP: http://www.mahj.org/fr/index.php
展覧会紹介: http://next.liberation.fr/arts/11011708-dans-les-archives-de-walter-benjamin


手紙、原稿、メモ、絵はがき、写真などなど、
ベンヤミンの思考の道程を彷彿とさせるアーカイヴがずらりと並びます。


私はドイツ語はまったく読めませんが、
緻密な文字で書き込まれ、推敲が繰り返された原稿や、丁寧に色分けされたメモ、
紙の四角い空間に配置された図表などをひとつひとつ見ていると、
彼にとって自分だけのアーカイヴの構築そのものが思考であり、
それが書物へとつながっているということがよく伝わってきました。


きっと、メモを繋げたり、並べ替えたりしながら、章立てを考えていたのかな。
今はWordの画面で切り取って貼付ければ一瞬でできる作業ですが...。
もしベンヤミンがパソコンの時代に生きていたら、
全く違ったパサージュ論になっていたかもしれませんね。


アーカイヴは、美術館で展示するには難しい媒体だけれど、
非常に奥行きのある展覧会になっていたのではないかと思います。


美術館入り口のガラスに、ベンヤミンの頭文字
ポスターを大々的に貼り出すのではなく、こういうのもかっこいいですね。




ベンヤミンも闊歩したであろう国立図書館リシュリュー館のすぐ隣にあるパサージュ、
Galerie Vivienne。真っ白な美しい空間です。
なぜか写真が右肩下がりになってしまう...。



ノエルのイルミネーションも白。

パサージュには欠かせない時計。天使たちが支えています。


古書店。とても優しいムッシューが色々とアドバイスしてくれます。
こういうお店は、少しためらいながらも、一度入ってしまうととても居心地が良くて、
懐かしい感じで(パリ出身ではありませんが...)、ついつい長居をしてしまい、
そしてまた来たくなります。




奥にはアパルトマンも。パサージュの中に住めるなんて...螺旋階段が素敵です。
こんな階段なら、どんなに疲れてふらふらで帰っても、
本が詰まった重い鞄を持っていても軽やかに駆け上がれそう。


パリ国立図書館リシュリュー館の閲覧室。
楕円形のスカイブルーの天井に、エメラルドグリーン色の照明。
壁には本たちがびっしり並んでいます。






ベンヤミンの図書館とパサージュについて、
松浦寿輝先生が以下のようなエッセイを書かれています。
「円環の廃墟―図書館と十九世紀の夢」
http://db.10plus1.jp/backnumber/article/articleid/806/

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