12/27/2011

マリヴォー『愛と偶然の戯れ』 コメディー・フランセーズ


先日初めて Comédie-Française [コメディー・フランセーズ]を訪れました。

コメディー・フランセーズとは、直訳するとフランス喜劇ですが、
ルーヴル宮殿隣りのパレ・ロワイヤルに拠点を構える劇場の名称でもあります。

1680年に創設され、モリエール、ラシーヌ、コルネイユ、マリヴォー、ヴォルテール、
ユゴー、シェイクスピア、ディドロ、ゴンクール兄弟、ミルボー、チェーホフ、
メーテルリンク、ヴァレリー、コクトー、アルトー、ジュネ etc....

17世紀から現代に至るまで、国内外を問わず時代を代表する作家たちの戯曲を
上演してきた、フランスを代表する由緒正しき劇場です。


客席へと向かう大階段。


輝くシェンデリア、金色の手すり、赤いビロードの座席...
そしてオペラグラスで覗かなくても見知った人の顔を見つけられそうなくらい、
反対側の客席を近く感じて、劇場が社交の場になっていたということが良く分かります。
ゾラの『ナナ』で読んだイメージそのままです。



今回観劇したのは、18世紀の作家マリヴォーの『愛と偶然の戯れ』です。
マリヴォー研究者の友人が絶賛していて、再訪するという彼女に着いて行きました。

舞台の台詞というのはなかなか聞き取りにくいものですが、
友人の解説のおかげで大筋のストーリーも掴め、あとは役者さんの身振り手振りで推測して、
何とか観劇の体裁を保つことができました。

私のイメージでは、古典的な、当時の上演に忠実な演出なのかなと思っていたのですが、
舞台も配役も(褐色の美女が貴族の娘役)、現代的な解釈が光っていました。

舞台美術も衣裳もとても洗練されていて、気品もありつつ、
笑いの絶えない楽しい舞台。


予約のチケットは早々に売り切れていたのですが、
当日20分ほど並んで、5€の当日券を入手。
座席はバルコンだったけど、ほぼ舞台を見渡せて、すっかり味を占めました。
また見に行きたいと思います。



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