12/31/2011

Comédie-Française展 Petit Palais


Grand Palaisのお向かい、Petit Palaisで開催中の
Comédie-Française展に行ってきました。



この劇場の歴史に多方面から焦点を当てた渾身の展覧会です。
まず最初に登場するのがモリエール。
Comédie-Françaiseの誕生が1680年、モリエールは1673に亡くなっているので
直接関わることはありませんでしたが、
彼が残した数多の戯曲は、劇場の礎作りに多大な貢献を果たしました。


ニコラ・ミニャール《カエサルの役を演じるモリエール(コルネイユ、ポンペの死)》
1661-1665年

今でも劇場が「モリエールの家[Maison de Molière]」と呼ばれるのはそのため。
モリエールが使用していた懐中時計、肘掛け椅子、帽子なども展示されていました。
その他にも、ラシーヌ、コルネイユ、ヴォルテール、マリヴォー
歴史に名を刻んだ劇作家たちの肖像画や彫像がずらり。

舞台で上演中の劇の一齣を描いた油彩画やデッサン、
そして興味深かったのは、観劇に訪れた聴衆たちを捉えた躍動感あふれる
エドゥアール・ジョゼフ・ダンタンの《初日の夜のコメディ・フランセーズの幕間》
19世紀末、ゾラも描いていた劇場の熱気が伝わってくるようです。




さらに、ラシェル、ジャンヌ・サマリー、サラ・ベルナール、
エドゥアール・ド・マックスら名優たちがそれぞれの役の衣装を纏った肖像画や
彼らが実際に身につけた装身具も並びます。

ルノワールやコクトーが描いた役者の肖像画もあり、
劇作家、音楽家、役者、同時代の画家たちが集まってひとつの文化を
作り上げていたのだなと思います。

ジョルジュ・クレラン《王妃役を演じるサラ・ベルナール(ユゴー、リュイ・ブラース)》1879年

1680年の創設以来、Comédie-Françaiseは1000人以上の作家の2700作品を越える
戯曲を上演してきましたが、新しい作品は無条件に受け入れられるわけではなく、
現在も続いている、俳優と外部の人物で構成された脚本審査委員会[comité de lecture]の
審査を経なければなりません。

アンリ・アドルフ・レスモンの《1886年の脚本審査委員会》では、
くつろいだ雰囲気の中で、戯曲を書いたアレクサンドル・デュマ ・フィス本人が
朗読する場面が描かれています。




そして、これまでの舞台美術の模型もずらり。
クラシカルな建築を模したものから、現代的なデザインまで、
どれも奥行きと舞台の向こう側への広がりを感じさせる空間構成でした。




展覧会のポスターは、やっぱりモリエールの肖像画です。

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