12/13/2011

Ecole du Louvre


Ecole du Louvreは、ルーヴル宮殿の端に位置する美術史の学校です。
チュイルリー公園の、マイヨールの彫刻を抜けたところが入口。


          

将来、フランス国内の学芸員や文化遺産関連の職につくエリート達を
養成する学校で、入学・進学・卒業ともに大変という話をよく聞きます。


先生方も、ルーヴルやオルセー美術館の学芸員、
パリ大学の教授、文化遺産の学芸員など、それぞれの現場で活躍している人ばかり。

正規の学生として入学するのは大変ですが、
しっかり受講料を払って聴講生として登録すれば、
誰でも授業を受けることができます。

私も今年はルーヴルのグラフィック・アート部門の学芸員の方による
17世紀フランスのデッサンについての授業と、
1939年から1954年、最晩年のマティスについての授業に登録しています。
内容もかなり専門的ですが、何よりスライドで見せられる資料が貴重なものばかり。

カタログや画集にも掲載されていない、美術館の学芸員でなければ
なかなか辿り付けないようなマニアックな資料が満載です。

特にデッサンの授業では、
17世紀の作家の、地方の美術館のコレクションや新規収蔵品も含めた
ありとあらゆるデッサンが次々に出てきて、
それが絵画作品や版画、他のデッサンと有機的に結びついていくさまがよく分かります。

デッサン研究をするには、
情報収集能力はもちろん、イメージの記憶力が必要だなと実感。

私は一度きちんと見たイメージは結構記憶している方だと思いますが、
そこからさらに、別の新しいイメージを見たときに関連性に気付けるか。
今は見た資料をどんどん写真に写せて、それに満足してしまいがちだけど、
眼の訓練もやっぱり必要ですね。

それにしても、実際に出席してみて驚いたのが、聴講生の多さ....
しかもほぼ99%が仕事を退職されたマダム&ムッシューたちです。
300人は入ろうかという大講義室が、熱心な聴講生で瞬く間に埋め尽くされていきます。

マダムたちはだいたい友達同士のグループで登録しているようで、
ちょっとしたサロンの雰囲気も漂いますが、しっかりノートも取っていて
その知識欲には敬服するばかり。




来年度は、修復家の方の絵画技法についての授業に出てみたいです。
画家たちがデッサンに使っていた画材についても知っておきたい。

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