4/15/2012

Palais de Tokyo リニューアルオープンに向けて




(ENTRE) OUVERTURE PALAIS DE TOKYO
30H NON STOP

2012年4月12日18時から13日の24時にかけて、Palais de Tokyoで
30時間ノン・ストップのプレオープン・イベントが開催されました。


Palais de Tokyoとは、パリの中では最も規模の大きい現代アート施設。
なぜ、「Tokyo」と冠されているかというと、
第1次世界大戦の同盟国であった日本の首都がセーヌ河沿い通りの名になり、
(ちなみに第2次世界大戦のときはニューヨーク通りになっています。)
この通りに建てられた万博の建物にも「Tokyo」の名が与えられたのがきっかけだそう。


というわけで、日本の現代美術とは何の関係もないのですが、
私が7年前に初めて訪れたときは村上隆の「いのちくん」が一番良い場所に展示されていて、
ミュージアムショップには村上隆グッズが溢れていたので、
パリでは「Tokyo」が現代アートのシンボルなのか〜などとぼんやり誤解していました。


今回は、10ヶ月の改修工事を経てのリニューアルオープンを4月20日に控えて、
50名近いアーティストたちが、作品展示、パフォーマンス、ダンス、
レクチャー、対談などを繰り広げるというイベントです。

12日の20時過ぎにひとり勇んで行ってみると、会場は想像を上回る長蛇の列。
確かに、パリジャンたちはよく並びます。
特に展覧会や文化関連のイベントは、2、3時間平気で待ちます。
現代美術も例外ではなかった....。


Palais de TokyoはAlma-MarceauとIénaというメトロのちょうど中間地点にあるのですが、
あろうことかIénaの駅まで列が伸びていて、この日の訪問は泣く泣く断念。


Iénaの駅前、高らかに腕をあげる騎馬像がちょっと切なく見えました。
さすがに200メートル超えの列を前に、寒空の下「よし、行くぞ」とはなりませんでした。




でもこと展覧会に関して、こんなことであきらめる私ではありません。
前日の反省をふまえて、13日は少し早めの18時過ぎに、
偶然この日の午後のシンポジウムで一緒になった友人を誘って、2度目の挑戦。
初日に比べてイベントが少なかったためか、すんなり入ることができました。


展示は、広々とした空間を生かした、体験型の大掛かりなインスタレーションが中心です。


レコードとプラスチックケースで作られたラジコンのレース場。


天井から吊るされたのは、埃まみれの廃棄物のような物体。




2階のスペースでは、何やら言葉を発するパフォーマンスが。






窓に落書きのように書かれたカリカチュアはウィットに富んでいて辛辣でした。



おそらく工事で出た廃材を、バランスだけで組み合わせ、重ねていくという
パフォーマンス/インスタレーション。ここだけは空気が張りつめていました。



カラフルな舞台を背景に突然始まったのは、ダンサーのパフォーマンス。






小さなスペースでは映像作品の上映やコンフェランスも行われていました。



とにかく、Palais de Tokyoの内部は広く、複雑に入り組んだ迷路のようで、
そんな空間を手探りで進みながら、
ひとつひとつの境界が曖昧な作品を渡り歩くというのは、
知覚を総動員する作業です。


現代美術を見るのは好きだし、
好奇心の赴くままに足を運んでなるべく多くのものを吸収するようにしているのですが、
まずは展示論に関して、本棚に並べた(ままになっている...)
Brian O'Doherty, Nicolas Bourriaud, Georges Didi-Huberman, Jacques Rancièreらの
著作をちゃんと勉強して、歴史的・分析的な視点も持てるようになりたいと思います。

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