2/16/2013

ルオーとともに


またまた更新が滞ってしまいました。
最近も展覧会、演劇、コンサートなどなど足繁く通いつつも、
(特に今月〜来月はダンス月間になりそうです!報告はまた改めて。)
博論・ボナール関係の資料収集のスピードも上げて頑張っています。

でも基本はまったりとお料理をしたり、お茶をしながらおしゃべりしたり、
夜のキッチンでバレンタインのお菓子を焼いたり、
ほんわかと充実した毎日を過ごしています。


そんななか、
ここ最近無心に取り組んでいたルオーの版画集のテキストの
トランスクリプション(書き写し)が無事完了しました。

最初はじめたときは、
慣れないフランス語の高速キーボード打ちにどうなることかと思ったけど、
フランス国立図書館の貴重書閲覧室にしかない資料で、
閲覧にこぎつけるまでも各方面の許可証を要求され、
日本にいるときにはもちろんアクセスできず地団駄踏んでいたものなので、
執念と根性を発揮してしまいました。

初めて資料を手にしたとき、
受付にいたちょっといじわるそうなマダムが、
「写真はだめよ、昔の人はそのくらい手で写していたわよ」
と言い放った言葉が、かえって私の心に火をつけてくれたかもしれません。


現代の写本家になったつもりで、
もくもくとパソコンに打ち込み続けました。


午前中の3〜4時間は上階の貴重書閲覧室で写本、
午後は下階の普通の閲覧室で自分の調査という生活を2ヶ月ほど続け、
気がついたら最後の225頁目に達していました。

ルオー財団で見せていただいた貴重な書簡と合わせて、
もう少し体裁を整えて元職場にきっちり収めたいと思います。

ルオーがかつて暮らしていたアパルトマンはリヨン駅の近く。
アトリエの窓からも美しい駅の塔が見えました。




ルオー財団にも4、5回通って書簡の調査。
がちがちに緊張していた最初の調査の日に、
とても素敵なカップ&ソーサーでコーヒーを入れてくださってほっこりしました。



風合いある木のテーブルも、椅子も、
美しいレリーフがほどされたチェストもすべてルオーが使っていたもの。

壁にはルオーの小品や想い出の写真たち。

この上なく幸せな調査の日々でした。

調査結果をどうかたちにするかも考えつつ、
ひとまず目前に締切が迫った論文に集中したいと思います。

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