8/16/2013

エクス=アン=プロヴァンス 泉湧くセザンヌの故郷

エクスは都市というほど大きくはありませんが、
学生と観光客でにぎわう活気ある街。

 旧市街を中心に、
19世紀どころか、16世紀、17世紀の建物まで残っており、
歴史が自然と現代に溶け込んでいます。


エクスは泉の街。
あちこちで、個性的な噴水に出くわします。


そして強烈な南仏の太陽。
日本の夏とは違い、湿気がないせいか、
太陽光線が肌に突き刺さるようでした。


 坂を登った街外れにあるセザンヌの生家。
父は商人、そして銀行家として財を成しただけあって、
なかなか立派な建物です。



人であふれる日中も楽しいけれど、
早朝の静まり返った旧市街には
違う時間が流れていました。


エクスのグラネ美術館では、
南仏が2013年のヨーロッパ文化都市に選ばれたこともあり、
マルセイユの美術館と共同で、Le Grand atelier du midi展を企画。
マルセイユは「ゴッホからボナールまで」
エクスは「セザンヌからマティスまで」と銘打って
南仏で制作した作家たちの作品が一堂に会します。

現在セザンヌの作品は世界中に散らばっており、
グラネ美術館が所蔵しているのはわずかに1点なのですが、
この展覧会期間中は数点のセザンヌの作品が里帰り。

 たくさんの人でにぎわっていました。
セザンヌが、画学生時代に残した
複製画などもあり興味深かったです。


セザンヌの作品を見た後は、
丘の中腹にある画家のアトリエへ。

中心部から、歩いて20分くらいでしょうか。


中では写真が撮れませんでしたが、
セザンヌの静物画に描かれている
壺や壜たちが変わらぬ姿で慎ましく並んでいました。


私なんかはセザンヌが専門というわけでもないし、
先輩や教授の発表を通して親近感を抱いていた程度でしたが、
画家が制作をしていた場所を見られるというのは、
貴重な経験でした。

ジャン=クロード=レーベンシュタインの『セザンヌのエチュード』を
もう一度読み返そうと思います。
 最後に、サント=ヴィクトワール山の見えるローヴの丘へ。
アトリエからさらに20分ほど坂を登ったところにあります。
 セザンヌも、毎日のようにこの丘に登り、制作していたようです。


サント=ヴィクトワール山はどうしても見たいと思っていたので、
時間がぎりぎりだったんですが、急いでとっとこ登りました。

思ったよりも遠く小さく感じて、
 でもセザンヌのようにずっと眺めていたら、
 もっと近くに感じられたのかもしれません。


この旅で唯一見かけたラヴェンダー。

0 件のコメント:

コメントを投稿